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台湾ハイキング  ポイント

全文引用出處: https://www.yamatomichi.com/journals/9236/

TAIWAN HIKERS’ HANDBOOK【#1】台湾ハイキングの概要

地理的アウトライン

照片出處: 種籽設計· 2018年9月1 FB粉絲團

 

台湾は沖縄の南西に位置し、台湾島と周囲の離島からなります。日本の最西端である与那国島からはわずか約110kmの位置にあり、面積は約36000平方kmと、九州とほぼ同じ大きさです。南北が最大394km、東西が144kmというタテに細長い形状なのも九州に似ています。台湾島の中央を北回帰線が横断しており、気候は台北などの北部エリアが亜熱帯気候、高雄など南部エリアが熱帯気候となります。日本と同じく環太平洋火山帯に属し、温泉も豊富ですが、台湾の山脈は主に長い年月を経た造山活動によって形成されており、火山は北部や東部、周辺離島などに点在する低山に限られます。台湾は日本と同じく面積のおよそ7割を標高100m以上の山地が占める「山の国」で、現地では3000m以上の山を「高山」、1000m以上の山を「中級山」、1000m未満の山を「郊山」と呼び区別していますが、驚くべきはそのスケールです。標高3952mの最高峰・玉山(Yu Shan:読み表記は中国語。以降も同様)や標高3886mの雪山(Xue Shan)をはじめ、3000m以上の高山がなんと270座(総数については諸説あり)に及ぶという、世界でも有数の高山密度を形成しています(ちなみに日本の3000m以上峰は20座あまりです)。3000m級の山々のうち100座はその高さや美しさなどから「台湾百岳」と呼ばれており、日本の百名山のような位置づけとなっています。また、そのなかでも人気の高い山を「五岳(五嶽)」、槍ヶ岳のように尖った美しい山を「三尖」と呼ぶなど、さまざまな分類がなされています。

照片出處: https://www.yamatomichi.com/journals/9236/ TAIWAN HIKERS’ HANDBOOK【#1】台湾ハイキングの概要

 

●五岳(五嶽):玉山・雪山・秀姑巒山(Xiuguluan Shan)・南湖大山(Nanhuda Shan)・北大武山(Beidawu Shan)をさします。最初の3座は玉山山脈、雪山山脈、中央山脈の最高峰。南湖大山は太魯閣(タロコ)国立公園の盟主的存在で、北大武山は中央山脈最南部の百岳。全土で崇められてきた聖山をバランス良く選んだもののようです

●三尖:中央尖山(Zhongyangjian Shan)、大霸尖山(Dabajian Shan)、達芬尖山(Dafenjian Shan)をさします。その名の通り、尖ったピークを持つ3座が選ばれています。

●十峻:特に険しい10座を選んだもので、玉山東峰、玉山南峰、馬博拉斯山(Mabolasi Shan)、關山(Guan Shan))、奇萊北峰(Qilaibeifeng)、大劍山(Dajian Shan)、品田山(Pintian Shan)、無明山(Wuming Shan)、能高南峰(Neng gao nan Feng)、新康山(Xinkang Shan)が該当します。

 

台湾の山脈について

照片出處: AMOUTER @amouter.tw  FB粉絲團

 

台湾には大きく5つの山脈があります。台湾島を背骨のように南北に貫く全長340km①中央山脈をはじめとして、中央山脈の北西に位置するのが②雪山山脈、その南に台湾最高峰の玉山を擁する③玉山山脈④阿里山山脈、そして東岸に⑤海岸山脈があります。

なかでも①中央山脈、②雪山山脈、③玉山山脈には百岳および3000m峰が集中し、台湾の屋根ともいえる山域を形成しています。一方、④阿里山山脈には3000m以上の山はなく、最高峰は標高2663mの大塔山となり、⑤海岸山脈は主に低山で占められています。

中央山脈

雪山山脈

玉山山脈

阿里山山脈

海岸山脈

照片出處:交通部觀光局 2020脊梁山脈旅遊年官網

 

①中央山脈だけでも3000m峰がおよそ180座あり、全長約340kmとジョン・ミューア・トレイルとほぼ同じ全長です。日本の北アルプス、中央アルプス、南アルプスを合わせた距離(約290Km)よりも長く、富士山クラスの高さの山々が連なり雄大な稜線を形作っています。

一方で緯度が低いため、日本の同じような標高の山よりも気象条件は全般に穏やかです。標高3000m以上でも樹林帯が広がる山域もあり、台湾の3000m峰が日本の20002500m峰という感じでしょうか。一方で高所ゆえの酸素の薄さやルートの長大さなど、難易度が高い点もあります。

いずれにしても、このような山々の国が日本のほど近く、九州ほどの面積の中に集まっているのは日本のハイカーにとっても大きな魅力ではないでしょうか。

また、台湾では高山ばかりではなく気軽なハイキングも人気です。台北の北部近郊には火山帯を中心とした陽明山国立公園が整備されており、神戸の六甲山のような位置づけで市民に親しまれています。ほかにも映画『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせるとして日本人にも人気の観光地「九份」エリアや、台北市街の南に拡がる象山なども豊かな自然のひろがるハイキングスポットとして人出が絶えません。台湾の公的統計(国民健康省)によると、台湾の登山人口は年間およそ500万人。総人口の2400万人に対しておよそ2割強が登山を趣味にしていることになります。日本の場合は650万人(『レジャー白書』2016年より)で人口比5%ほどなので、とにかく山が身近にある国といえるでしょう。

陽明山國家公園-大屯山

照片出處: 20161113-大屯山金黃芒草夕陽| bu | Flickr

 

 

簡略版 台湾登山史

もともと台湾には南方系の先住民が暮らしており、その後に中国本土南部からの移民が移り住んできたと考えられています。

17世紀にはオランダに領有され、一時は日本人と中国人のハーフである鄭成功がオランダを追放しますが、その後17世紀後半から19世紀にかけては清、20世紀前半には日本の統治を経て、第二次大戦後は中国から渡ってきた中国国民党の統治を受け「中華民国」となって現在に至ります。

日本統治時代には観光開発と鉄道を中心とした交通インフラの設置が進み、学術的・軍事的な事情から島の探検が進みました。現在は国家公園(日本の国立公園に相当)となっている阿里山や太魯閣といった山岳リゾート、台湾を代表する人気観光地である日月潭なども大正時代から昭和の初期に日本の資本によって開発されたものです。このころ同時に山岳地域の観光開発も進み、1918年には東岸の花蓮と台湾中央の霧社を結ぶ中央山脈横断道路(後の八通関越道路)が建設されています。

日本では山岳信仰と結びつき古くから登山が盛んでしたが、台湾の山岳地域は長らく先住民(台湾では「原住民」と呼ぶ)の支配エリアとなっており、登山の記録はほとんど残されていません。最高峰・玉山の初登頂を果たしたのも中国本土の人ではないかと言われています。

そして日本の敗戦後、台湾の人々を中心としてあらためて登山が盛んとなりました。玉山が冬期初登頂されたのは1959年のこと。1972年には「台湾百岳」が制定され、一般の人々の間でも登山が盛んになっていきます。1990年代以降は多くの台湾人登山家がヒマラヤなどへの遠征を果たすようになりました。現在は探検的な登山、古道探索など学術的な登山、レクリエーションとしての登山まで楽しみ方も様々に広がっており、山が身近なレジャーとして定着しています。パーミッションは国家公園ごとの申請となりますので、まずは「玉山」「雪覇」「太魯閣」の高山が集まる3大国家公園を区分し、他の山域についてはエリアの共通性で分類しました。その結果は以下通りの5エリアです。

(高山ハイクのための台湾山域区分)
①雪山エリア(国家公園)-百岳のうち19座(下図の紫マーク)
②太魯閣エリア(国家公園)-百岳のうち27座(同赤マーク)
③中央エリア-百岳のうち19座(同黒マーク)
④玉山エリア(国家公園)-百岳のうち30座+湖1箇所(同オレンジマーク)
⑤中央南エリア-百岳のうち5座(同灰色マーク)

上記の山々をグーグルマップ上にプロットしたのがこちらです。

※地図上のマークをクリックすると山名が表示されます。左上のナビゲーションをクリックすると山の一覧が表示されます。※山の後ろにある記号は登山難易度をあらわすグレードという記号です、今後の連載で詳述します。
※玉山エリア(国家公園)の山のうち、南部の公園境界にある山や湖(嘉明湖)は玉山山脈ではなく中央山脈に属します。その意味では玉山に含めるべきかどうか少しややこしいのですが、それらの山へのパーミッション提出先は原則として玉山国家公園(または林務局)となりますので、本稿では玉山に分類しています。

 

複雑なパーミッション

台湾では、標高1000m以上の中級山に入る際には原則として入山許可証が必要となり、国家公園に入る際にはさらに別の入園許可証が求められます。入山許可証の発行は県(警察)、入園許可証の発行はその国家公園単位となっており、それぞれ別個に取得しなければなりません(申請の順番としては入園許可→入山許可となります)。

百岳の多くは国家公園内にあり、入山者数および山小屋・テント場といった宿泊地のキャパシティも厳しく制約されています。その理由は自然環境保護や登山者の安全確保のためと説明されていますが、外国人からすると少し厳しすぎるように感じます。一説には、日本統治時代に山岳地域に住む先住民との間で紛争が生じ、その管理や治安維持のために山への立ち入りが許可制となった、というような経緯が背景にあるとか。

ともかくも山小屋やテント場の利用そのものが事前申請制であり、空きがなければパーミッションの申請ができないようなシステムとなっているため、希望の日に空きがなければ、日程を変更するかキャンセル待ちをするしかありません。さらにパーミッション申請は入山の○日前まで、というルールがあり、宿泊地に加えてルートも細かく決める必要があります。

地図を見ながらルートを決め、気ままにテントを張って…というわけにはいかないのが、外国人が台湾の高山を旅する際の大きな障壁となっているのです。

 

パーミッションが不要な山

ここまで読んで「めんどくさいな」と思われた方もいらっしゃると思いますが、パーミッション制度の概要や申請方法については今後の連載で詳しく説明する予定なのでご安心ください。

パーミッションは高山~中級山に登る際のもので、1000m未満の低い山や、山頂を目指さないハイキングコースの場合は申請不要の場合があります。原則として国家公園内の山は入園許可証が必要となりますが、台北近郊の陽明山国家公園内については申請不要です。

ここで、パーミッション不要で登ることのできる代表的な山を挙げてみると、

標高1000m未満の山
:台北近郊の象山や基隆山~九份エリアなど

象山

照片出處: 18007/05/2017 - 08:00叶俊宏

基隆山

照片出處:天空部落https://liaoyilung.tian.yam.com/posts/79122478

 

 

陽明山国家公園の山
:最高峰は標高1120mの七星山。パーミッション不要。

七星山

照片出處:一路報導  https://www.ourtrails.com.tw/highest-taipei-qixing-mt/

 


合歡主峰・合歡東峰・石門山
:山頂付近まで道路が通じており、例外的にパーミッション不要などがあります。

合歡主峰
照片出處:台灣山林悠遊網官網

合歡東峰

照片出處: https://gosunbody.com/hiking-hehuan-e-peak

石門山

照片出處: 自然顏色 http://www.pse100i.idv.tw/m/snmnsnzncn/snmnsnzncn008.htm

 

また、南湖大山(太魯閣国家公園)や大霸尖山(雪覇国家公園)、奇萊南華(林務局管轄)では自由にテント泊をすることができるので、入域申請さえしてしまえばテント場の空き具合を心配する必要はありません。パーミッションについてはたしかに難しい点もあるものの、実際には上掲のようにパーミッションなし、あるいはテン場の心配なく行けるエリアもあります。また、台湾の方々はたいへん親切で、国家公園や観光局など、日本語での問い合わせにも丁寧に対応してくれます。まずはトライしてみましょう。格安航空をつかえば数万円で行ける台湾。場合によっては国内の登山よりも近く、安く済む場合もあります。それでいて自然の雄大さは感動モノ! この連載を通じて、読者が台湾の山への興味関心を深め、実際に訪れることになればと願ってやみません。

南湖大山

照片出處:人間福報 圖/黃慧元 |2017.09.06

大霸尖山

照片出處: Photograph by   KENT FAN 范植然 上傳日期:Aug 12, 2019

奇萊南華

照片出處:微笑台灣

更新日期:2024/06/11

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